アシスタントを選ぶときのポイントは?

久しぶりに合ったY先輩に聞いたことがある。

 

「顔だよ。顔。」

即答した彼の意見はこうだった。

 

「付き合うわけじゃないから俺好みの顔というわけじゃなくてさ。

ずっと顔を合わせていてつかれないか、それって最初に逢ったときにわかる。

カメラバッッグのようなものなんだよ。アシスタントは」

 

「そういえばそうかも知れないですね」

 

「まあ、「ビリンガム」と「テンパ」の違いくらい。

でっかいやつと小さいやつとか、後ろに背負えるやつとか

そういう違いはあるかも知れないけれど

持って歩きたくないカメラバッグとかあるもん。そんなもんだよ」

 

「じゃあ、写真のうまさは?」

 

「それは関係ないでしょ。アシスタントとしてはね。

でも、人間としては写真がいい方がいい。

 

巧いとかじゃなくて、なんか引っ掛かりがあるほうが全然いいんじゃないの?

今のアシスタントの写真をはじめて見たとき、コイツ大物だなって思った。

友達の写真をいっぱい撮っていて、写っているひとに美人が多かった。

それって才能だよね。

あとね、写っている人たちのポーズがみんな変だった。

かわいいんだけど、羽交い締めにされているとか。そこが新しかったんだ。

俺は絶対撮れない」

 

意外なことをどんどん話すY先輩がかわいかったので

もう少し聞いてみた。

「じゃあ、写真以外では?」

 

「そうだな。支離滅裂な思いつきを一緒にディスカッションして

話に乗ってくれるとか

写真の話より、抽象的なことを受け止めてくれる

自分で処理しきれなくて誰かに聞きたいときに使えるやつ」

 

「キャパが大きいってことですよね」

「そうだね。エロの概念が似ていることも大事かな」

「エロティシズム?」

 

「普通のエロとは関係ない。

写真でエロをわざわざ表現するのはグラビアカメラマンだけでしょ。

ギャラのためだし、見たいひとのためにそれはそれでアリじゃない。

でもさ、俺らは撮りたいものを撮って、結果的にそれが色っぽいことが大事でしょ」

 

「Y先輩のエロの概念とは?」

 

「人って本質的にどこかヤバい部分を抱えているから

それをえぐり出したというか、出てきたというか

そのぐらぐらして狂気に変わっちゃうんじゃないかってくらいな

瞬間なんじゃないかと思ってる」

 

 

確かに。

アシスタントというのはその時の呼び名だけのことで

このディティールを共感できることは大切だ。

 

わかるとか、好きとか嫌いとかちっぽけな思考レベルじゃなく

肌感覚で話せるという人間のこと。

 

そういう人たちにどれだけ関われるのか

誰もが課題になってゆく時代になった。

 

楽しみだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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