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クオリティの解釈と審美眼

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最近のご相談で多いのは、

「写真が思うように上達しない」

「ある程度わかっても、自分の世界をどう表現したらいいのかわからない」

という類だ。

 

そういう人はどこかで見聞きした情報しかインプットされておらず

自らの工夫が足りず、

誰かに教えられたとおりにやっているだけのことが多い。

 

自分で観察して判断するプロセスを楽しんだり

実行する力が不足しているため

「ある程度」まではスキルが伸びても

そのさきの「自分だけの世界観」が表現できない。

 

撮影技術の向上のためにまず必要なのは

写真のクオリティを見極める目を持つこと。

 

これは、オリジナルの審美眼とそれを超えた世界基準を見極める目を養うことでもある。

 

その感覚が育ってくれば、自分の写真の良し悪しを判断できるようになり

レベルアップに必要な技術の習得につながる。

感覚が冴えるほど自分自身に対してより高いクオリティを要求するようになり

それをクリアするために撮影技術も無理なく自然に向上していくのだ。

 

これはミュージシャンや画家が最初に曲を作るときや

絵の描き方をマスターするときと同様だとイメージすると良いだろう。

 

そこには集中と夢中しかないのではないだろうか?

 

テクノロジーが発達した現在、

より多くの作品や人物に触れられることで

誰でも模範実践できるようになっている。

 

構図やライティング、モデル選定やロケ先など

作風やイメージ、テクニックの隅々まで研究し

模範したり「型」を覚えたり、スキルアップを身につけたりできるのだ。

 

気をつけたいのは、作風を表面的に真似てそれらしく見せる

「モノマネ」とは意味もクオリティも違うというシビアな点も理解できてくる。

 

クオリティの判断に必要な目がないうちは、

どの写真をお手本とするか、その選択がとても難しい。

 

オススメは、海外の著名な写真家の作品中から選ぶとよいだろう。

 

日本という小さな枠組みから出ること。

そして、理屈のない直感と自分の美学を信じ

自分が気に入ったイメージと出逢うまでしっかり吟味する。

 

あとはそのイメージ通りに撮影できるようになるまで楽しんで挑戦するだけ

 

もちろん、撮影する被写体や場所は

身近にあるもので置き換えて練習あるのみ。

 

遠い海外の写真だからと言って

遠征したり、外国人モデルを起用することもない。

 

他人からのイメージ頼りでは、ただの「モノマネ」になってしまい

中身がない作風になり兼ねない。

 

自分の中で消化し、そこから放出させた世界を撮ればいいのだ。

 

 

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夢中でアウトプット

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冒頭の質問に戻ると

「クオリティの違いを判断する審美眼がない」ために

「なんとなく」「できたつもり」の人がほとんどだ。

 

そこで、大量のインプットとアウトプットしかないと伝えている。

 

 

名作にはそれぞれの写真家のセンスやノウハウがたくさん詰まっている。

なにを美しいと感じているのか?

大切なメッセージは何か?

なぜこの被写体を選んだのか?

なぜこの人が撮るのか?

どこかを見落としていないか?

自分ならどうするか?

実際チャレンジしてみてどうだったか?

 

レンズワークや現像、色出し、プリント・・・

いろいろな写真家の作品を研究しながら

そのプロセスを追体験していくうちに

作品づくりに必要なエッセンスを自然と吸収できるようになる。

 

そのとき感じた頭の中にあるモヤモヤは

表現者にとって素晴らしいインスピレーションだということを知っておいてほしい。

 

未知の領域にある概念を写真で具現化するためのイメージ力が高まり

表現の幅がどんどん広がっていくのだ。

 

それらを夢中になってアウトプットしてゆくことで

自分の血肉になり、その蓄積が誰れも届かない世界観となる。

 

気がついたら、全てできていた

そんな軽やかな意識でいよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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