ステートメント・プラン Vol.1はこちらからお読みいただけます。

 

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制作プランを作る意義

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つづけてVol.2では、ステートメントと同じくらい求められることが多い

「制作プラン」についてお伝えします。

これはアーティストレジデンスに参加したい方は必須になりますので

日頃から最新の内容で作成しておきたい資料のひとつです。

 

また、レジデンス滞在を希望しない方も可能であれば

準備しておくのが望ましいです。なぜなら作品クオリティが高くなり、

ヴィジョンがより明確になることでアーティスト自身が熟成されるからです。

 

「制作プラン」というのは、作家がこれまでどんな作品を制作してきたのか

また今後どんな作品をつくるのかを解説する資料のことです。

大きなコンペティションにも求められることがありますし、

個展を予定している方も企画段階で関わるスタッフや初見の方も

その作家方の向性を受け取りやすくなります。

 

もっと端的に言えばこの制作プラン資料とは、作家の「裏づけ」です。

つまり、過去ここまでやってきた実証のこと。

観覧者にとって制作プランのクオリティは

イコール作家に対する信頼であり、

現在までの活動実績を推測して将来へ期待できるのです。

 

そのような理由で、厳しい選定をクリアするためにも

あなたの作品をより丁寧に扱って貰うためにも

真剣に取り組みたい資料の1つです。

いつか、とは言わず、今から練り込んでみてはいかがでしょうか?

 

次に、最近続々と登場しているアーティストレジデンスについて

資料作成について後述してゆきます。

 

 

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制作と環境と

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アーティストレジデンスとは?

——–各種の芸術制作を行う人物を一定期間ある土地に招聘し、その土地に滞在しながらの作品制作を行わせる事業のことである。

『ウィキペディア(Wikipedia)』より———————-

 

 

アーティストの本音を代弁すれば、生活のことを一切気にせず

クリエイティヴワークだけに集中できる環境に身をおき

時間を忘れて手を動かす日々にどっぷりと浸りたい・・・

そんな理想を叶えてくれるシステムがアーティストレジデンスプログラムです。

 

最近では、世界各国に点在している

滞在型アーティストレジデンスの制度を活用し、

数週間〜数ヶ月、集中的に制作に励み、それ以外の活動を展示に当てて

次の制作費用をリーターンして再びレジデンスを巡る・・

といったライフスタイルも注目されています。

 

アーティストレジデンスは奨学金や助成金が出るなど応募型が多いのも特徴です。

これには作品の輸送や渡航に掛かる費用やパートナーの滞在許可など、

そのシステムごとにかなりのヴァリエーションがあり、

滞在先もアパルトマンの共同生活からブッフェ付き高級ホテルまでさまざま。

 

中には、リラックス感満載の森林のログハウスや、

大きな倉庫で寝泊まりするスタジオタイプもあり

非常に個性が見受けられ、サイトを覗いているだけでもワクワクしてきます。

(※ここでは個別の紹介はありませんので気になる方は巻末のリンク先をご覧ください。)

 

日本でもさまざまなジャンルのプロジェクトを見かけるようになり、

「気になる」「いつか挑戦してみたい」

という声をお聞きすることも少なくありません。

 

結論から申し上げると、お勧めのプロジェクトをここで特定することはできません。

アーティストに適した条件を見極め、応募資格をクリアし

最高のタイミングでそこへ参加する姿勢こそが参加者のベストな条件ですから。

 

ちなみにわたしはレジデンス未体験者です。

7年前に南フランスにバカンスをした際、所謂アーティスト村を訪れ、

そこで暮らす方々のスタジオを見学させて貰ったことはありますが、

残念ながら撮影NGだったためお見せできる資料がありません。

それを踏まえて頂いた上で、

未経験のわたしが知人から見聞きして結論づけた「特に重要」

と言う部分だけを書いてみようと思います。

 

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つまるところ、重要なポイントはなにか?

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「アーティストレジデンスを選ぶときもっとも気をつける点な何ですか?」

と言う問いを3名の知人にそれぞれ尋ねてみました。

写真家・ピアノ奏者・ダンサーの30代の方です。

彼ら彼女らがどう答えたのか?は問題ではありません。

なぜなら、“ジャンルによって応募内容が全く異なる”からです。

ここでは大切なことだけ抽出しましょう。

 

経験のある知人3名のお話を伺ったわたしがポイント要約すると

アーティストとしてのキャリア形成が可能かどうか?

滞在後のインスタレーションやプロダクト化など

実質的な発表の機会があるかどうか? となります。

 

つまり、プロジェクトが活動を飛躍させるチャンスにつながるかどうか、

が決め手ではないでしょうか。

 

具体的には「作品展示」「販売契約やコラボレーション」

「レビュー権利」(キュレーターやディレクターコレクターに見せる機会がある)、

「出版・企業などスポンサーとのマッチングオファー」です。

 

同時に、それらが成立した場合のビザ取得および滞留許可の手続きが

保証されているかも重要なチェックポイント。無い場合はもちろん自力です。

 

仮に、集中するのにうってつけな環境で、

滞在費もアトリエも機材レンタルも無償、助成金フォローもあるとしても、

上記したような次のチャンスにつながる企画があるかどうか?

が選択基準のキモとなるでしょう。

 

果たしてそれは作家本人にとって「本当にその企画が必要かどうか?」

改めて熟考する必要があるとわたしは思います。

 

と言うのも・・・単に「海外でクリエイティブ活動したい」

というだけであったり、

その後のキャリア構築や発表の機会をもらえなくても別に構わない、

スポンサー契約も期待しない、その後は自分でなんとかするよ、

と言う方は、直感でお好きな企画に参加されれば良いですよね。

 

たとえリターンがなくても、旅行で滞在するだけよりずっと生産的ですし、

海外でしか体験できないこともあるでしょう。

作品に向き合いながらリラックスできる時間を目的とするのも

それはそれでゆたかな体験となります。

 

むしろ気をつけたいのは、プロジェクト参加後の「成果」を基準にしている人。

キャリアを積むために挑戦するのであれば、当然、スポンサーの

具体的な策がなされているかどうか見極める必要があります。

慎重に調べた結果、もしかしたら日本で制作した方が効率的かもしれない

と言う場合もあるかもしれません。

 

例えば、滞在費が無料だったとしても

渡航費や材料の輸送費がかかるとしたら日本で制作したほうが経済的です。

語学力や時には体力も考慮しておきたいポイントだそうです。

 

とは言え、日常の作業を離れ、一定期間、制作に没頭する環境を

自分に与えるという行為は素晴らしいことだと思います。

 

参加することでバカンス気分を味わえたり、

普段出逢えないような人脈とリアルに交流する機会も大きな付加価値です。

アートを通したさまざまな刺激的な出逢いは、

アーティストレジデンスという仕組みを求める人にとって

本当に魅力的だと思います。

 

だからこそ、クリエイティブにかける時間や場所は

アーティストにとってどのような効果があるのか

その場所に滞在しないと集中して創作できないのかどうか

日本と海外では作品への影響はどう違うのか

いま一度しっかり認識してみるといいでしょう。

 

また、チェック事項として「サイトスペシフィック性」

を求められているかどうかもポイントだと友人から伺っています。

(※サイトスペシフィック=その場所に帰属する作品や

環境の特性を活かした作品、あるいはその性質や方法のこと。

国内の代表例としては、越後アートトリエンナーレや

ベネッセアートサイト直島など)

 

基本的に、奨学金や助成金の額など好条件なプロジェクトの場合は

必ず求められてくるのがサイトスペシフィック性です。

仮に提示されていなくても現地で制作する意義を考えておくべきでしょう。

その地域、特性、文化伝統が織り込まれた深みのある作品を求められている

と理解しておくことが大切です。

 

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最終アウトプットを先に考える

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サイトスペシフィック性が必要のない場合でも

制作プランを立てるのは、作家の世界観をより際立てるためにも

ぜひ準備していましょう。

 

エネルギーをこめた表現、撮影やプリントなど

時間をかけて制作したせっかくの写真が

最終的にオーディエンスに届く時点で

その意味や魅力を伝えられないのではあまりにも残念ですよね?

 

わたしがパリで写真表現に出逢った頃は、

写真における展示方法というのは

コンプリートであると教えられました。

作品1点1点をしっかり見せることを重視した展示なのか、

額装方法や掛け方、天井の高さ、作品点数、

空間ありきの展示なのか、作品をダイレクトに見せるのか

すべての繋がり、全体バランス、照明や壁のニュアンスなどの環境に合わせて

制作・企画することでよりコンセプトが輝くでしょう。

 

 

ステートメント・プラン Vol.2 最後に、

基本中の基本として読んでおきたい名著をご紹介します。

 

⬛️創造力なき日本 アートの現場で蘇る「覚悟」と「継続」

 

⬛️芸術闘争論

 

アーティストとし生きる覚悟と処世術について

世界の第一線でご活躍される村上隆さんの

シビアながら魂の言葉が綴られた2作。必読です。


 

 

 

それでは、ステートメント・プラン Vol.2は以上です。

次回、Vol.3では、制作プランとステートメントについて

更に詳しくお伝えします。どうぞお楽しみに。

 

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