Model:心月-mitsuki

 

 

 

「古い映画のストーリーはすっかり忘れてしまったけれど

強烈なワンシーンだけはよく覚えている」

突然ですが、あなたも同じような経験はありませんか?

 

感覚派のあなたへ送る「五感Cafe Columm」第6回のテーマは

ポートレイト写真について。

 

 

Model:心月-mitsuki

 

 

わたしは、人物写真をよく撮ります。

 

スタジオで被写体をより魅力的に写すプロフィール写真もあれば

自然をバックに作品モデルさんを起用して制作します。

ここではまとめて、人が写っている写真をすべて

「ポートレイト」と捉えてみてください。

 

わたしのように個人作品というジャンルは

商品写真のように説明的ではないためどのように撮っても自由です。

それゆえに抽象的、感覚重視の表現がポートレイトだと考えています。

 

撮影する際にわたしが大切にしているのが、

最初にお聞きした

「なぜだかよくわかないけれど記憶にある映画の断片」です。

 

今日は、わたしのライフワーク、写真表現について

少しだけお話したいと思います。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

はじまりはロードショーのポスター

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ポートレイト写真といえば、昔憧れたスターのブロマイドや

ポスターを思い浮かべる方も多いと思います。

 

淡い記憶のまま、時が過ぎても色褪せない

原点のイメージですよね。

 

わたしは幼いころ、近所の映画館で

ロードショーのポスターを見るのが好きでした。

 

父にせがんで年間パスポートを手に入れ、

ポップコーンを片手にロビーに飾ってある大きなポスターをじっと眺めては

動く映像をわざわざ静止した写真の世界に浸るのが週末の楽しみでした。

 

そこに映ったきれいな女優さんや、カラフルな情景や印象的なセリフまで、

たった一枚で見せてくれるスチール写真の偉大さを

子供ながらに感じていたのかもしれません。

 

映画はエンターテイメントですから、よりドラマチックに構成され

資本主義的な「ベタ」な表現もありますが

そういった当時の普遍性やスタンダードさこそが、

イメジネーションに結びつくことを大人になって知りました。

 

たとえ映画の中で主人公が死んでしまっても

観ていた人の記憶の中でずっと生きつづけているように

 

1枚のスチール写真は、永い年月を超え、

多くの人の意識下で大切に保管されています。

 

それは、時間も空間も超えた

果てのない潜在意識の世界です。

 

Model:心月-mitsuki

 

けっして名場面でもクライマックスでもないのに

脳内にずっと流れている記憶の映像。

 

あなたの中にある「よく覚えているワンシーン」は

この感覚に近いかもしれませんね。

 

「五感カフェ」では、これを《脳内スクリーン》と言っています。

美しい断片もあれば、こころにすーっと沁みて

あたたかな気持ちになる、

そんな言葉にならない世界観のことです。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

感性のセンター脳内スクリーン

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

写真表現とは、脳内スクリーンに大量に蓄積された

好きなシーンを具現化する連続、とわたしは考えています。

 

ファインダーを構えると、無意識に断片が蘇り

わたしの肉体を通してシャッターを切らせている、そんな体感。

 

被写体を前にして、「ブロマイドみたいな写真を撮ろう」などと

一度も考えたことはないのに

後で見返してみると、どこか懐かしく感じる不思議さがあります。

 

古い映画館の記憶と、現在の目の前の情景が溶け合った瞬間、なのですね。

 

こうして、昔見た普遍的なイメージが

わたしだけのスタンダードを再構築してゆくのです。

 

 

 

 

まさに、わたしがわたしの快感を満たす、と言う心地よさ

 

この感動をどれだけたくさんの人びとへ伝えられるか?

と、日々エネルギーを注げる贅沢な時間でもあります。

 

 

あなたにとって、「強烈なワンシーン」

「永遠のヒロイン」は誰ですか?

それを研ぎ澄ました先に、あなたのたどり着きたい五感表現があります。

ぜひ、探してみてくださいね。



 

感覚派のためのコラム「五感Cafe 」

次回は記憶と感覚についてお届けします。

お楽しみに。

 

 

 

 

 

 

 

IDEA ART BOOKS

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です