五感カフェコラム 引きつづき「脳内スクリーン」を使って創作する手順について

お伝えしてゆきます。

 

この方法は、感覚派の方、創るのは好きだけれどまとまらないという方、

イメージが洗練しにくいとお悩みの方にとても好評いただいています。

「結果を残してこそ創作」とお考えであれば、活用しやすいかと思うので

感覚的にピンときたひとは想像力をどんどんアウトプットしてゆきましょう。

 

ただし、一回きりで完璧に。

 

脳内スクリーン2のおさらいはこちらから→

 

━━━━━━━━━━━━━━━

だから感覚を研ぎ澄ます

━━━━━━━━━━━━━━━ 

前回までは、脳内スクリーン のようにひたすら作業をしたのち、

文章のスタート部分は、創作したい(書きたい)文章量に合わせて決めたり、

クライマックスを創作してゆく、という流れまでお伝えしました。

のシーンを決めないままこの作業を進めないこと、とも。

ここから⑹の最終作業に入ってゆくのですが、

当然ながら⑸のプロセスもしっかりと決めておいて下さい。

 

 

脳内スクリーン⑹

 

ここまで来て酷なようですが・・・お伝えしなければならないことがあります。

仮に、ラストではなく、はじまりのシーンが思い浮かんでしまったら

運が悪かったと諦めて下さい。

せめて使えなかったそのシーンに短い文章のメモをつけ、

きれいさっぱり忘れてしまうのが懸命です。

 

なぜなら、「1回しかアウトプットしない」のですから。

 

こうした手放すことを何度かしていると

次のイメージが湧いてくるので潔く忘れられますからご心配なく。

 

何もなかったかのように、また真っ白な状態でラストシーンを思い浮かべたり

イメージ像の別のピースを揃えたりしてゆきましょう。

 

せっかく可視化したイメージを手放す行為に不安を感じる必要はありません。

大切なイメージだとしても一晩寝れば、面白いほどに忘れているものです。

そもそも、脳内で浮かんだ虚像なのですから、取り出すのも解放するのも

「実在しない」幻と同じです。

 

けれど、メモを読んだときだけは、

脳内イメージとつながるようにしなければいけません。

あなただけの秘密基地のようになったメモから感じる像は

何度も見えていた方が可視化しやすいのはいうまでもありませんね。

 

ここまできたら映像のパーツを物語の流れに合わせて

場所や時間帯を変更しても良いでしょう。

多分、このときには脳内で生まれたキャラクターたちは

自然におしゃべりをしたり、方位や風向き、光の強弱なども

デリケートに感じられるようになっているでしょう。

背景からは音が聞こえ、どこからともなく匂いも流れてくるかもしれません。

 

もし、イメージ映像が思い浮かばなかったら

それは、インプットが足りていないと自覚することです。

 

初めての映画を見たり、本を読んだり、知らない分野を学んだり、

手っ取り早く図書館に籠るのもオススメです。

散歩するのもいいし、新しくできたギャラリーを訪れ

初めて観る作家の作品を分析するのもいいでしょう。

に出て足りない感覚を手に入れるのも楽しい刺激です。

 

ときどき、「何も思い浮かばないんです!」という方に出逢います。

そういう人にわたしは、旅に出ることをお勧めしています。

 

近場でも、日帰りで海や温泉もいいでしょう。

経験上、場所を変えるのが一番早い、と思います。

心理学的には、遠ければ遠いほど良いという意見もありますが

要するに、慣れてしまえば距離や場所は関係なく

あくまでも「感度」の問題なのです。

いくら世界旅行へ出ても不感症であれば全く意味をなさないようにね。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

自然に描けるまで待つ、という技術

━━━━━━━━━━━━━━━

ひとつだけ考慮して頂きたいことがあります。

 もし、メモを見ても映像が頭の中で再生されない

もしくは毎回違ったものが再生されてまとまらない

映像がぼやけていてはっきりしない

映像にならないで一枚の絵や写真でしかない

フルカラーではなくモノクロである

というような人には、

わたしのこの方法では創作しづらいと結論づけているので

別の方法を模索する方が得策かと思います。

その場合、無理にこの方法をとらないでくださいね。

 

 

脳内ノート⑺ 最後にイメージ写真の創作

お話を戻すと・・

全体のイメージが一本のCMに出来上がったら

絵コンテのように、脳内に映るスクリーンをコマにして止め

少しづつ描いてゆく作業をします。

一連のイメージ映像をいったんバラバラにし、

ひとつひとつ背景と構図、人物像を決定してゆくのです。

実はここまで来てもまだ最終のラフ画は描きません。

 

頭の中のスクリーン画像の一番美味しく、美しいと思う部分を

いい構図で止めて切り取り取る、という単純作業に置き換えるだけにしましょう。

 

そしてそれに新たにメモを足すのです。

残したい一枚の像になったところでやっと、

細かな写実を決めて一緒に書き込むことが可能になります。

  

「縦構図。風に揺れる白。レンズは85ミリ。単レンズ標準。

静かな朝、湖を背景に人が立っている。

逆光の中、揺れる枝とわかば。淡い影。

何かをしようと動くその数秒前、または後。朝の青い光。

表情は無し、朝靄で背景は墨絵のように淡くとろけるような描写。

イメージ音は無し。

色彩はグレーのレイヤーを入れた感じ」

  

というように具体的な情報を言葉で書いてゆく。

足してゆく時もあるし、物理的に無理な場合は引き算をしてゆくこともあります。

作品を文章にするとき、写真や絵のようにヴィジュアルに落とし込みたい時、

いずれもこの方法を使います。

 

ここではやみくもに書くのではなく、

頭の中の映像を常に確認しながら、

視えたままを紙に落としてゆくことになります。

たとえば作品撮りのために行ったロケハンなどは、

あえてスナップを撮らず、脳裏に焼き付けて帰ってくる、と言う

訓練をしているとやりやすいでしょうか。

 

 脳内スクリーンを見ながらメモにするということは 

「初夏の背景、左に焦点、日中シンクロ、奥ボケ、揺れている若葉」

というような文章を書くだけで完結することです。

 

もし、エッセイなどまとまった文章にしたい場合は

“左に焦点が合っていて奥がボケけている背景とは

どういう風に言葉であらわすのか?”

 

というように、文章を書くときの自分に重ねあわせ

自然に書けるまで待つようにしています。

 

そして、ここが肝心。

《自然に描けるまで待つ》

決して構成して絵コンテを描いてはいけません。

  

何度もしつこいようですが、

いまはただ可視化したい事象だけをキーワード化して記憶してゆく「作業」であり

創作にはしないようにしたいのです。

 

エッセイや文章表現の場合は、冒頭ページのシーンからラストシーンまでのすべてを

同じ手順で繰り返し書き上げます。

セリフや文章のリズムは自分の手が知ってるはずなので、どこまでも自由に。

この時は、自分の感覚を信じて、限りなく「作業」に徹するのがコツです。

  

必要のないシーンがないかどうか冷静に見極めたり

言葉を増やす必要があるかもしれませんが、

そこを丁寧にすくい取り、適切な写実をする作業でもあります。 

(この説明は別の機会にでも)。

 

ヴィジュアルの場合も、ここでやっと

白い紙に、一気にラフ案を描いて仕上げます。

各シーンのイメージとイメージ、場面ごとの構図はもうすでに決まっているので

適切な小物や人物イメージの変更も簡単にできます。

  

ここまで来たら、やっと絵コンテにはいれます。

 実際に用紙に落としこんでみて初めてわかることもありますので

多少の微調整は必要ですが、

複雑な構成や同じ絵コンテを何度も手を加える時間や労力を使うより

脳内スクリーンからイメージを取り出すだけのプロセスが加わるだけなので

はるかに早いし、効率的。

何より、自分の想像性に正確で、鮮度もいいのです。

 

 

 

脳内スクリーン⑻  補足  写真はリアル 

 

⑺の段階を超えたら、やっとラフ画をもとに撮影に出かける準備をし、

人材を手配したり場所設定をするという段階に入ります。

写真は、文章のときより多少の時間がかかりますが、

表現行為が違うだけで順番は同じです。

 

書き残した短いキーワードを見て、イメージ像を思い出し、

それを脳内スクリーンで映し確認しながら、

撮りたい写真の絵コンテに描き写してゆく。

 

カメラのシャッターを切るのはこの先であるけれど

すでに像となっているので完成に近い感覚があるのではないでしょうか。

 

それよりも、完成に近いのが

「現像」というもう一つの大きな制作です。

ですから、撮影とは、イメージを描くよりも

ずっと地道な作業だということがわかるでしょう。

(最終的な創作、写真現像についてはセッションで詳しくお話します)

  

━━━━━━━━━━━━━━━

脳内スクリーンを超えてゆく

━━━━━━━━━━━━━━━

さて、3回に分けてお送りした「脳内スクリーン」

いかがだったでしょうか?

慣れない方法かもわかりませんが、

一旦覚えてしまうとかなり効率が良く、

感覚的に創作作業がはかどるのでわたしは個人的にオススメ。

とはいえ・・・

リアルはもっと想像的ですよね。

撮影現場というものは脳内スクリーンの予想をはるかに超え

なんでー!?

ということもしょっちゅう起こります。

 

太陽が欲しいのにドン曇り、スタジオの照明が壊れる

イメージしてた月の位置が違った、

桜が咲かない、雨が降らない、衣装が届かない、モデルが不機嫌、

ほっぺに吹き出物ができた、レンズに傷があった、

バッテリーが急にポシャった、スマホを落とした

猫が風邪をひいた、

渋滞にハマる、夕日がみるみる間に沈む

標識がデタラメ、山道に迷う、田舎すぎてコンビニがない

トイレがない、酔っ払いに絡まれる、熊に遭遇する、

新興宗教が管轄する畑に間違って入ってしまう

撮影中、不審人物に見られ警察に通報される・・・

 

嗚呼・・・・!

 

 そんな時にどれだけリカバーできるかどうかが

人間としての振り幅の大きさ。

 

何が言いたいかというと・・・

どんなシーンでも最後にイメージを仕上げるのは

写真家のセンスでしかない、ということです。

 

だから、毎回ヒリヒリするような緊張感を持って

その場のハプニングを楽しめばいいし、

それが必ず自分のステージを上げてくれるタイミングになると信じる。

 

絵コンテや創作過程より、頭の中にある秘密基地は

はるかに愛があり、いつでも手で掴めそうなほどリアルなのだから。

  

さて、

そんなことをセッションで話していると

あっという間で楽しい時間なのですが

説明しながら書くと軽く1週間くらいかかりそうで

読むほうも眩暈がしてしまうと考慮して

この辺で終わりにしたいと思います。

 

五感カフェ特別バージョン「脳内スクリーン」

お楽しみいただけましたら幸いです。

 

 

より詳しい内容や個人セッションで扱っています。

年内はすでに終了しておりますが、

リピートの方はいつでも自由にお受けいたしています。

年末年始のお時間があるときにどうぞご利用ください。

 

それでは、また。

 

  

IDEA キャリアプログラムのご案内

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です