遠くから花火の音が聞こえてきた。

 

東の空を見るとその低い位置に赤や青の小さな粒子たちが

音もなく開いては闇に消えていった。

 

何秒も経った後、

ひゅうと夏の湿氣を帯びた淡い音がした。

 

しばらく沈黙が続き、また別な小さな光の輪が無音で開いては消えた。

 

その闇の彼方に小さく開いては消えたおぼろげな無音の光と

遅れて届くやわらかな火薬の音の間にある深い沈黙は

 

夏の終わりの、はかなくも美しい記憶になった。

 

 

 

 

 

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