「かつて写真はアートか否かと頻繁に問われた。

今、わたしたちは、これらのとてつもないイメージの反乱が

そもそも写真なのか否かを自らに問わねばならない」

 

by ライアン・マッギンレー

 

 

わたしが3年ほど主催している写真ワークショップ

「日々是写実リアルセッション」で

《テーマや被写体はどうやって見つけ出すのか?》

ということについてお話させていただく機会がありました。

 

これについては、そもそもテーマや特定の被写体を持つ必要性があるのかどうか?

と考えることができます。

 

その疑問を胸に抱きながら、

どうしてもこだわりたいという意識があるからこそ

テーマや被写体を追求するのですから。

 

そこで、今回はテーマとリサーチを詳しく述べようと思います。

 

これからの時代すべての人が表現者。

進化成長をのぞむアーティストたちへ参考になれば嬉しいです。

 

 

どのようにテーマを掘り下げて行くのか

あるいはどのようにリサーチを行うのか?

 

 

膨大な量の日々のスナップをまとめてゆくとき

ある共通したテーマや被写体をもとに編集作業を行うと仮定しましょう。

 

たとえば、人工的な都市の景観をテーマにしたり、

花を被写体として選び取ったりというようなことです。

 

テーマを深めるために考えることは色々とあると思いますが

大切なのは

「自分が何をそこで表そうとするのか」

・・・ ということです。

 

この課題を掘り下げる前に大きな注意点があります。

というのは

誰でも設定したテーマを自身の力で探求できるけれど、

考え過ぎて行き詰まってしまう方も多いからです。

 

実のところ、わたし自身もあるテーマについてひとりで考えるには限界がある

と自覚しています。

 

そのようなときには誰かと積極的に話すようなことが

ひとつの解決策になることがあります。

 

具体的には写真を見せて話すこともあるし、

単に話すだけということも意味を感じます。

 

たとえばそれは、テーマと関連したことに造詣が深い人と話すこともあれば、

友人や家族であることもあって、幅が広い会見が得られるからなのですが

 

どんな場合でも、人と話していると

自分の知らなかったことや思いもしなかったことが

世の中にはたくさんあることに気がつくということが大きく作用すると考えます。

 

その気づきを手がかりにまた自分なり勉強していき、

また別の人を繋がって、その誰かと話す、というサイクルは、

わたしの制作時間においてもっとも時間を費やす時間でもあ流のです。

 

 

話す、という行為を意識的にすることで

無意識化の自分に出逢うと言ってもよいでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

ほかの写真家がなにをしたか?

調べることでみえてくることがある。

 

作品を進めて行くとき、ある程度テーマや

被写体が決まった段階で必ず行うことに、リサーチがあります。

 

たとえば「パリ」を捉えた作品にはどのようなものがあるでしょうか。

 

 

写真でいうとまず頭に思い浮かぶのは、

クラシックなところではアジェ、ポール・ストランドかもしれません。

日本でいうと木村伊兵衛、ほかにも数多くの写真家が

パリというテーマで切り取ってきましたし

インターネットで検索したり、図書館や本屋を巡れば

そのアプローチがどのようなものだったのかを調べることができます。

 

写真の題材として大変魅力があり、それだけに自らの作品として世界に提示するには

相応の研究が必要となることも想定できます。

 

調べるたびに、あれもこれももう既に撮られている・・・

そんな発見とも言えない心境になることも少なくありません。

 

では、花の場合はどうでしょうか。

 

ボタニカルアートのような方法を用いたものもあれば

スナップの要素があるもの

あるいは枯れゆくさまを艶やかな色彩と構図で捉えた作品

「重厚な階調で再現されたモノクローム」などこのテーマもさまざまります。

 

写真家で言えばロバート・メイプルソープ、

アーヴィング・ペン、荒木経惟などの作品が頭に浮かぶ人が多いかもしれません。

 

わたし的には、ニューヨーク在住の写真家、井津健郎さんによる

プラチナプリントで仕上げられた花の静物写真を見たときの体験を思い起こします。

 

非常に豊かな階調で仕上げられたそのプリントは

その後のプリントに対するクオリティの判断に大変影響していると自負しています。

 

花もチーフとしては多くの写真家に選択されたものであるといえるでしょう。

 

また、女性なら特に写真を始めた頃

練習がてら花を撮影したという方もいるのではないでしょうか。

個人作品の評論などを務めさせて頂くと、

花の写真は割合としてかなり多く見ることができます。

 

街スナップ同様、作品として仕上げるには

かなりのクオリティと独自性を要求されるものであると感じるのは否めません。

 

このようなリサーチは、すでに発表されていることと

同じことをしないという目的もありますが

それ以上にどうすれば新たな視点でテーマを掘り下げることができるのかを

考えるためにあると考えて頂けたら

さらに本当に辿り着きたいディティールが見えてくることがあります。

 

そうやって調べていると実は、

まだ写真になったことがない被写体をいうのは、

ほとんど無いのかもしれないということ明確になるのですが。

 

 

 

 

さらに言うと、テーマにしても全く新たな発想というのは

調べてみないことには新しいかどうかわかりません。

 

もし同じように考えられたものや似たアプローチの作品があれば

それを土台に考えることができます。

 

こうして、ひとつのテーマを制作したと仮定すると、

実際にはテーマを研究し進めていくことで

被写体が変更するということがよくあります。

 

これは、調べてゆくうちに写真作品以上に絵画に注目することが多いのも理由かもしれません。

 

 

経験のない人は、不思議な感覚になることもありますが

「自分が撮ろうとしている写真」というのは、撮ってみないとわからないものなのです。

 

 

はじめからイメージが頭に描かれるものではなく、

撮っているうちに思い浮かぶ場合も多いです。

被写体を深く掘り下げて取材し、考えを巡らせていると

必要な撮影技法や機材なども少しずつわかってくるもの。

 

さまざまな天候、季節、それによる見え方の違いを

どうしたら写真で表すことができるのか

光や背景をどのように選ぶのか

 

ひとつのシリーズを進めてゆくには、

これら最初の選択にずいぶん時間がかかるものですし、

たっぷりとその時間にエネルギーを注いで欲しいです。

 

そこで

そのために重要なのが《テーマの掘り下げとリサーチ》

 

同時に撮影を重ねて試行錯誤することで

ようやく自分の撮ろうとしていた写真は

これだったのかと気づくことができるもの。

 

長いプロセスを経てその1枚が撮れた時の喜びは何にも代えがたいのです。

 

その感情の震えがあるからこそ頑張れるというものでもあります。

 

 

 

自分の作品に自信を持ち、

誰よりも理解しているのは当たり前のことです。

 

そのためにも、良質で濃厚なリサーチは

不可欠であることを覚えておいていただきたいのです。

 

とは言うものの、一人では難しいという方のために

「作品テーマの見つけ方」や

「自分の作風についてのアドバイス」を受けたい方のため個人セッション

を今年もご用意したいと考えています。

 

ご遠方の方でも気軽にセッションを受けられるよう

Skypeでのプライベートセッションも可能です。

 

わたしは写真とは

撮影者の魂が写し出されている神聖なものと捉えています。

映像では写し出せない束の間の光の奇跡をかしかしたものであればなおさら

わたしたち表現者はその意図を伝えてゆかなくてはなりません。

 

あなたの中に宿る束の間の光の束をゆっくりとひもとき

新しいエネルギーに変えてゆく

そして、今後の制作について純粋に自分の時間をそそぐ。

 

そんな写真に対して丁寧な視点をご提供できたら幸です。

12月に開始予定なのでしばしお待ちくださいませ。

 

 

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プライベートセッションの役目は

表現の知識や言語化のスキル、ソフト面のアプローチ

ライフキャリアの落とし込み方

それら制作過程で生まれる解決法などを一緒に考え

自在にブランディングしてゆくことです。

 

純粋にあなたの「カタチにしたいこと」「伝えたいこと」

「美しいと感じる世界」を大切にしてゆきましょう。

 

対象は、アーティストおよび将来フォトグラファーを目指す方です。

また、今後写真表現をしながら

ライフワークとして自己表現をし

社会と関わっていきたいと考える人にも参考になります。

 

みなさまの才能を掘り起こし、

磨きをかけるお手伝いをさせていただけましたら本望です。

 

STUDIO M 事務局

 

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