耽溺写真 12    《被写界深度 〜ボケ感をコントロールする》
写真論, 耽溺寫眞

耽溺写真 12 《被写界深度 〜ボケ感をコントロールする》

 

 

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写真表現の最大のポイント

「ボケ表現」を理解できるよう解説をしてゆきます。

 

あなたは「ボケ感」と聞くと

どのようなイメージを持たれていますか?

 

この写真表現特有の「ボケ感」。

 

この言葉が定義するのは写真の描写のことで

「ピンボケ」の写真とは違います。

 

 

わたしたちは、モノゴトの理論がズレていて

焦点があわないときや、

 

そのような話の合わないときや

人の反応に対して「ボケる」と言うことがありますが

 

この場合、写真的に言い換えれば、

 

「ピントが合っていない描写」

「ピントがずれている写真」のことを指します。

 

 

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今からご説明する「ボケ感」とは

 

ピントを合わせるポイントをコントロールした

「意図的にボカした表現技法」です。

 

 

これは英語でも「Bokeh」 と日本語名詞となっているように

世界共通の言葉。

 

 

ピントが定まっておらず、ピンボケになってしまった写真や、

手ぶれなどでコントロールできていない絵とは全く異なるものです。

 

 

「ボケ感」「Bokeh」とは、

カメラやレンズの特色をよく理解し

活用して、意図的に表現した描写なのです。

 

ぜひ、この機会にコントロールできるようになって

写真表現の幅を広げて行きましょう。

 

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どうして? ピントが合っているように見える原理

 

 

 

ピントが合う距離というのは、

カメラからある一点までの距離で

これが変化することはありません。

 

 

 

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ですが・・・

 

上のイラストのように「ピントが合っているように見える距離」が、

ピントを合わせた位置からの前後の範囲に見えるものがあります。

 

 

 

ピントを合わせている中央の被写体の前後にあるものにも

ピントが合っているように見えますが、

 

実際には「ピントの合っているように見える範囲」です。

 

これを「被写界深度(ひしゃかいしんど)」と呼びます。

 

 

 

絞りで変化する、被写界深度

 

 

被写界深度は、さまざまな条件で変化します。

 

 

その中で、もっとも自由に

被写界深度をコントロールする方法が「絞り」です。

 

その原理はつぎの通り。

  • 絞りを開くと、被写界深度は浅くなる
  • 絞りを絞ると被写界深度は深くなる

 

また、 「絞りを理解する」でご紹介しているように、

 

絞りを 1 段変えると光量が2倍または1/2 倍になり、

それによって露出も変わります。

 

 

 

では、この絞りごとに変化する被写界深度を見てみましょう。

 

実際に、ご自分でもイラストのように被写体を並べて

試していただくとより深く理解できます。

 

 

 

 

 

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非常に浅い 被写界深度(非常に開けた状態)の場合はどう見えるか?

ピントが合っている距離以外はボケていて

絞りが開いているため光量が豊富なため、

シャッター速度も高速(短時間)となります。

 

 

 

 

 

ここでは、カメラと垂直に同じ大きさの猫のぬいぐるみを

縦に5つ並べてテストをします。

 

ぬいぐるみはそれぞれ、少しだけ横にずらして並べます。

 

 

 

 

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浅い 被写界深度(開けた状態)

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深い 被写界深度(絞った状態)f=16

非常に深い 被写界深度(非常に絞った状態)f=32

すべての距離でピントが合っているように見えることを

パン・フォーカス」と言います。

 

 

 

 

 

 

 

 

被写界深度が非常に深くなり、

手前にあるものから奥にあるものまでほぼすべての物に

ピントが合っているように見える状態を「パン・フォーカス」と呼びます。

 

わかりやすく例えると山脈などの風景写真によく使う撮影法です。

 

 

ただ、上のイラストでおわかりの通り、

パンフォーカスをすると、絞りがほとんど閉じているため

光量が少なくなります。

 

それにより、シャッター速度も低速(長時間)となります。

 

 

 

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このようにミラーレスや一眼レフカメラでは、

「絞り」を自在に調整したり

明るいレンズを使用することで

 

ピントの合焦している部分と

「ボケている部分の差」をコントロールする表現ができます。

 

 

 

絞りを開けることで被写界深度が浅くなり、

より大きくボケた絵になりやすく、

ふわっとした色合いが質感になります。

 

やさしさやスイートなイメージ、

また幻想的な雰囲気を取り入れたいときに

浅い被写界深度にするのはこのためです。

 

身近な被写体では、

 

空気感を感じるお花や

ふんわりした印象を出すときの植物の写真、

 

もしくは、その時のムードや

幸せな時間を閉じこめたようなテーブルフォト

 

やさしいイメージの人物写真、

奥行き感を出したいときの小物撮影など・・・・

 

さまざまな表現に活躍します。

 

 

つまり、絞りを自由にコントロールするということは

あなたが表現したい「ボケ感」が作り出せるということです。

 

 

 

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写真表現で大切なのは、ほんの少しのロジックとイメージ創り。

 

 

あなたのイメージしたままの写真が撮れるようになると
もっともっと写真を撮ることが楽しめます。

 

 

次回は、

わたしたち人間の眼に一番ちかい表現となる

ボケ感について、さらに詳しくお話ししてゆきます。

 

 

 

 

復習をされたい方はこちらから

 

 

▶︎耽溺寫眞の創り方  9  《露出計を合わせて撮影する》

▶︎耽溺寫眞の創り方  10    《レンズの焦点距離を知る》

▶︎耽溺写真の創り方 11     《画角の変化を知る》

 

 

 

 

 

 

 

 

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