ドキュメンタリーの真髄
日々の泡, 白黒写実

ドキュメンタリーの真髄

 

 

 

 

 

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(C) Sebastiao Salgado

 

 

20代の頃、本屋で彼の写真集を見つけ手に取り

鳥肌が立って感動で涙が止まらなくなった。

 

わたしは本屋の片隅で立ちすくみ、

ドキュメンタリーの真髄を知ったのだった。

 

戦争を知らない世代として生まれ、

終わったことだと教育されてきたけれど、

そんなのは嘘だ。

 

世界中、紛争と虐殺は行われている、

それを“知ろうとしない”だけじゃないか。

 

 


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(C) Sebastiao Salgado



(C) Sebastiao Salgado

 

 

 

当時、わたしを驚きと衝撃に導いた偉大なる写真家

セバスチャン・サルガド氏が映画になったことを知り、

この夏、6回ほど映画館に足を運んだ。

 

 

放題は「セバスチャン・サルガド 地球へのラブレター」。

 

 

 

実を言うと、このサイトで「読む寫眞」をつづる際、

わたしは彼の作品をはじめに書こうとしていた。

 

けれど、もうその必要はなさそうだと

このドキュメンタリー映画を見て思った。

 

まだご存じない方のために書くと、

邦題にもなっているセバスチャン・サルガド氏とは、

世界的な報道写真家であり、大自然の保全や復元に尽力する

環境活動家としても知られる世界的な写真アーティストだ。

 

 

正直に言えば、わたしはこのドキュメンタリー映画を見る前、

懐疑心を持っていた。

 

世界の事実を映し出すドキュメンタリー映画は興味深い。

 

だが、「映画」として観覧した場合、その完成度や

絵的なレベルに対して消化不良を起こすことが多々あることも知っている。

 

本屋の隅で動けなくなるほど泣いたあの感動が薄れてしまわないか?

マグナムの一員であったセバスチャン・サルガドを、

彼の傑作をどう、映像で表現しわたしたちを感動に巻き込んでくれるのか?

 

 

しかし、幸いなことに、その心配はなかった。

 

疑い深くなってしまったわたしの気持ちを簡単に払拭してくれたのは、

『パリ・テキサス』『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』が印象に残る

ヴィム・ヴェンダース監督だった。

 

 

もしあなたが写真に興味がなくとも

ドキュメンタリーを毛嫌いするひとであっても、

セバスチャン・サルガド氏を知らなくとも、

この美しく強く静かな感動に包まれるだろうと確信している。

 

 

 

世界には何が起きているのか、それは本当なのか、

地球上にこんな景色があるのか。

 

わたしたちは先進国に生まれ育ち、何もかも知っているようで

悲しいくらい無知だと知らされる。

 

 

このドキュメンタリー映画を見れば、

「神の目」と言われる世界的写真家ががどういう人物なのか

どういう活動をし、どれだけ人を惹き付ける写真を撮るのかが理解でき、

 

圧倒的な写真と映像に釘付けになるだろう。

 
サルガドの代表作であるモノクロ写真の数々。
 

行ったことのない国、地域。知らない民族、伝統。

名前は知ってはいるけれど見たことのない動物たちの生態、

その一瞬の生命の表情。

自然の美しさと驚異。

 

戦争、飢餓、人間の弱さ、残虐さ、

その悲しみの果てにわたしたちが考えることーー

 

 

次から次と強く生々しい感激に

瞬きする暇もなく映像美にのめり込むだろう。
「ギリシャ語で“フォト”は光、“グラフィン”は書く・描くという意味だ。

だから、フォトグラファー(写真家)は“光で描く人”を指すんだ」

 

 

と言うサルガド氏のセリフからはじまるドキュメンタリー映画は、

光を描き続けた人の哲学と、

神の目がたどり着いた美しき地球そのものだ。

 

 

ひとりでも多くの人に、この感動が伝わってほしいと願う。

 

 

 

 

 

 

セバスチャン・サルガド 地球へのラブレター

 

 

 

 

映画を見逃し方は、ぜひDVDでご観覧ください。

 

 

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2 thoughts on “ドキュメンタリーの真髄

  1. 島津さま

    素敵なコメントありがとうございます。

    ジェネシスの圧倒感は今でも鮮明です。

    彼が心を病んだことをお考えになったり、
    彼の作品の美しさに魅了されることができる島津さまこそが
    本質を捉えていらっしゃるのではないかと思います。

  2. 小生も観ました。そしてジェネシスを買いました。
    圧巻でした。でも、なぜか心にひっかります。
    氏が心を病んだのはなぜだったのでしょう。
    まだ、それを考える日が続いています。
    そして最近思うに、氏の写真は美しすぎるんだと。
    盲目の女性が座ったまま虚空をみつける視線、
    亡くなった乳児が眼をあけて葬られるその表情、
    飢餓で痩せた少年の足と杖と枯れ木の対比、
    どれもぞくっとするほど美しく、神々しい。
    ドキュメント写真が伝えるべきものは何。
    写真の功罪、業などを考えさせられます。
    そして美しい写真とは何なのかかも。

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