なにもかも

手に入れたいと考えてしまう貪欲さが

創作意欲を掻きたててくれていた。

 

 

それは、もしかしたら

手に入るかもしれないという

浅はかな憧れでもあった。

 

だから、ときどき抑えきれない微熱を保ったわたしへ

その愚かさを知らしめるためになにもないところへ来る。

 

冬の水辺や夏の荒野、目に見えない空や風を

わたしのものにしたいとは思わない。

 

こうして

この星に立っていることに意味を持ったとき

わたしは何者でもなくなり

何も手に入れずに

ただ、感じている

それだけを知りたくて立ちすくむのだ。

 

感じている時間だけは

世界はだれかのものになるのかもしれない。

 

目の前の光景を見ているだけで

世界は、ここへ来るまえよりも透明で

ここを知るまえよりも

揺るがないわたしをみせてくれる。

 

何者でもなく

なにもない自分であるからこそ

すべてになることができると信じているから。

 

 

 

 

IDEA ART BOOK

 

 

 

 

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