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ジャズがマランツのアンプから流れている。

 

わたしにとって音楽は

とてつもなくシンプルな原理をひしひしと感じる原点のようなものだ。

 

無形のなかに存在してる振動、

そこが写真と似ていて

 

写真を創れば創るほど、音を聞けば聴くほど

そのロジックだけが視えてくる。

 

 

ジャズの抽象的な振動の連続が

聴くひとの脳内で

別のイメージに変換されるように

 

写真は、発せられた光が反射し

フィルムやセンサーが感受して

「像」をつくりだす。

 

その残光を印画紙の銀が化学的に反応し

別次元である「写真」となる。

 

 

音楽が生まれる時の、振動みたいだ。

 

 

なにかに摩擦し、叩き

空気を経て音を生まれさせ

空間で反射し、鼓膜を振動させる。

 

最後は脳内でそれぞれのイメージと化す。

 

時間軸はどこにするか?

を問い続けることが創作であるならば、

 

光や音が発せられる瞬間のドラマをどうとらえるのか?

どこで生まれさせ、どう組みかえ

いかに共存させるのか?

そんな飾り気のないロジックがいかに大切なことに気づくのだ。

 

 

印画紙のなかの粒子が、

現像液のなかで立ち上がる瞬間。

 

それを視る奇跡、その感動を

忘れてはならないと

 

ジャズの生楽器が壁を震えさせながら

教えてくれる。

 

 

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雨の夜、ブルーノートにライブを聴きに行った。

 

ミュージシャンたちの楽器は

美しい音を奏でる以上に

弾き手の呼吸に滑りこむように集中しているようだった。

 

 

張りつめた空気のなか

次第に曲のテンポが上がってゆき、

ライブ会場にいるすべてのひとの心臓に響きあい

やがて、ひとつの有機体のような演奏になっていった。

 

 

熱を帯びた音源のうねり。

リズムが波になって空間に乗る。

 

 

時折、その流れに垂直な線を描くように

トランペットが空気を切り刻み

 

シンバルがその断面をなぞって花吹雪のように舞い上がり

毛穴の下でひらりと開いて揺れる。

 

 

観客はその一部始終を全身で感じる。

 

奥のグランドピアノから声が発せられる。

 

ドラムが答える。

 

楽器を通したわずかにこもった声が

その息遣いが

 

雨の夜の空気を伝って

心臓を揺さぶり続ける。

 

 

シンプルな美はいつも肌に染みこんで

 

やがてわたしの血肉となり

 

あらゆる組織を振動させてゆく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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