ポートレイトの呼吸
写真論, portrait, 随想

ポートレイトの呼吸

 

 

 

 

Sjpg1

 

 

Model:Nana

 

 

 

 

 

 

最近、撮影スタイルについて訊かれることが多くなった。

 

 

こんな時代に写真だなんて

奇特なひとはまだ存在しているのであればとても嬉しく想う。

 

なので今回、かなり具体的に書くことにした。

 

まずは露出の出し方、これはマニュアル設定が90%。

 

 

残りの10%はAモードを使用するけれど、

これはジャズライブスタジオなどハコトリと言って

ライブバージョンで人物を撮影する時に限っている。

 

舞台のようにフラッシュが禁止で

さらに暗くて狭くて動きの予想がつかない、

そんなスチーエーションのときだけにとどめておく。

 

 

これは、間違えがないようにカバーした設定で

なるべく使わないようにしていると

暗いところでも自由に感覚的で動けるようになってきた気がする。

 

やはり幾つになっても積み重ねが重要なんだろうと思うことのひとつだ。

 

 

写真を撮るうえでマニュアルにこだわるのは、

やはり、露光やシャッタースピードを

その時の自分の状態や場の空気を入れることを前提に考えるから。

 

 

 

欲を言えば、スナップのように間違えや失敗が許された日には

ファインダー越しの事象とカメラが記録するものの差異

感覚的に身体に落とし込むことを目的にして

シャッターを切るのが単純に愉しいと感じるからだ。

 

 

 

初めて行く場所や見るものをスナップするときは

そういう意味でも絶好の時間だと言える。

 

 

こう話していると、Aモード推薦派に

「デジタルなんだから、カメラが表現するピュアさで

被写体を見ることができるじゃないか」

 

と言われそうな気がする。

 

 

確かにAモード(露光優先)にすれば

自分が決めた設定をカメラに任せ

安定した素晴らしい絵が生まれるだろう。

 

最初に自分が選んだ光であればアガリも納得するし

デジタルの画期的なことはこの部分であることも認める。

 

 

けれど、へそ曲がりなわたしは、

自分の身体を通して視た時、肌で感じて設定したカメラの絞りと

 

シャッタースピードならこうする、と

イメージした上でファインダーを覗きたいのだ。

 

 

その方が遥かに想像通りの光の絵が描けられる。

 

 

でも、これはわたしだけかもしれないので

参考にするかしないかは別の話だけれど。

 

これはOVFのビューファインダーの小型カメラを使うときも同じだ。

つまり、ビューファインダーだけを使って

ほかの作動ボタンはほとんど用事がない。

 

 

 

撮った画像がすぐに確認できる

「撮影画像の表示」、は必ずOFFにする。

 

 

 

その理由はシンプルだ。

 

シャッターを切るたびに撮影画像が表示されると

それが今、わたしが視て感じているものなのか

 

今撮ったばかりの画像なのかわからなくなるから。

 

 

 

そしてもう一つの理由、それは

 

何よりも大切な、今、わたしが視て感じている

 

その瞬間に集中することだからだと思っている。

 

 

 

 

ほとんどの人が一枚撮るたびに

モニタで画像を確認しているようだけれど、

 

それでは被写体に対する集中力をキープできないのではないか?

と思っているのだが本当のところはどうなのだろう。

 

特にポートレイトを撮るときはどうしているのか疑問だ。

 

 

 

ポートレイトは撮り手はもちろん、

被写体である側もかなり集中してその場に入り込んでいる。

 

大切なのは場の空気感や、

そこに生まれるリズムや流れだと思っている。

 

 

スタジオの雰囲気というのは、他の人から見ると

拒絶感をふくめた独特な空気があるのはその証拠だ。

 

 

だから、被写体をするひとからすれば、

撮影者が一枚撮るたびにカメラのモニタに視線を落とし、

 

なにかを確認したりあるいは首を傾げたりした後、

 

再び自分を見るという流れであれば

 

せっかくのムードや、

張り詰めた時間へ集中するのは難しいだろうと思うのだ。

 

 

 

それが表情に出てしまうのは仕方がないことで

モデルが反省する必要はどこにもない。

 

 

 

撮る側は撮影するときだけは完全に雰囲気作りと

その維持をするべきなのだということは明らかなのだから。

 

 

 

その場だけに生まれるやすらかな呼吸をする。

 

そうして、シャターを切ることにただひたすら向かう。

 

 

モニタで確認しない写真のアガリが不安なら、

普段からなんどもシュミレーションしたり

 

自分だけがわかる感覚の練習を繰り返して

失敗の恐怖から逃れることしかない。

 

 

 

被写体にどう向き合い、

真剣に集中しているかどうかは、

 

相手がどれだけビッグネームでも

一般人でも同じように

 

必ずそれに応えてくれるのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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