最近、若いアーティストと話していると

「乞食行為」だと野次られながらもクラウドファンディングを成功させた

西野さんが話題になることがある。

 

絵本の出版やその資金繰りだけにフォーカスせず、

「本当にやりたいことを貫くため」

ある種根源的なやり方を貫くアーティストからわたしたちが学ぶことは多い。

 

クラウドファンディングもエンターテイメントと割りきって

自由な発想を語る彼らを見ていると清々しい気持ちにもなる。

しかし同時に「ん?待てよ・・」と

思わなくもない人もいらっしゃるようだ。

 

一般的には、彼のようなタイプはまだ早すぎるのだろうか。

 

ただし、個展や出版を目指し活動する若いアーティストを姿を目の前に

現実を対峙する真剣さには「何が欠ける」のかと定義したら

そのリアリティを誰かが伝えなくてはならないのではないか?

とわたしは思うのだ。

 

 

総アーティスト時代。

作品全体のブランディングや企画について

決して夢心地ではない事実がたくさん浮上してくる。

ここを口煩くアドバイスするのは簡単ではないけれど、

それでもわたしは

世界基準の視点と日本の現代アートの在り方を取りまぜながら

経験で語らなくてはならない、と自負している。

 


 

去年10月、電子書籍を出版したときのこと。

わたしは、編集や作品セレクトの重大さを嫌というほど知り

消耗しそうになってしまった。

 

しかし、いま冷静に考えると

出版事業主や編集者から「時間をかけさせてもらった」のだ。

本当にありがたいことだ。

 

消耗しそうになった、と書いたのは本気で電子書籍が出したかったのか?

という自分の深い部分への抵抗感だ。

 

全ての写真家にとって、デジタルではなくリアル本で出版したいのは本心だと思う。

 

だが、資本金が潤沢にあるわけではなく

世間受けの企画を考案したり出版社の顔色に合わせて創るなど

到底できないと思い知ると

 

まずはデジタルでもなんでも好きなように「世に出す」一歩の方が

どれだけ大事かがわかってくる。

 

メディアを持ち、出版するという他者を意識した本質は

決して一般向けに発信するという意味ではなく

別の人格になりきって人生の舞台に立ち続けること

その責任を負う覚悟のことをいうのかもしれない。

 

 

わたし自身、やっとわかってきたこの感覚を

未熟なアーティスト達にどう伝えればいいのか?

 

ずっとそのことを考えていて

「ある法則」を伝えるようになった。

 

文章でもヴィジュアルで

も自己だけに向けていたまなざしをシフトし

「わたし」という感情論を捨て、

純粋に選びとることがいかに困難で

そして、きっとそれ以上に大切なことだと知ることが根底にある。

 

出版や個展を目指すアーティストの場合、

ここがクリアできれば作品のセレクトはOKかというと

 

編集作業をプロに任せる人以外は

実はここからも手を抜けない、ということも最近わかってきた。

 

ここからはアーティストの感性やスキルというよりも

最初に行ったテーマ決定や、コンセプト

その最終的な構築が重要になってくるのだ。

 

いかに企画力があるかどうか

が問われるところなのだろう。

 

見せる作品をセレクトし編集する作業とは

最も美しい写真を見つけ、それらを色調や構図に合わせて

うまく並べること以上のものがある。

 

もちろんヴィジュアルの要素はとても重要。

 

言うまでもなく、写真は視覚メディアであり

写真の編集は視覚的にも魅力的であるべきだからだ。

 

もし「美しさ」が唯一の基準だとしたら

写真の編集をする際に頼れるものは個人の好き嫌いだけになってしまい、

フラットな発信とは言えなくなってしまう。

 

だから、ここでも相対的な感情を抜きに

セレクトと編集をしてゆく意識を持ちたい。

 

どんな方法を取るにしても最初に考えるべきことは

作品を通して「なにを」成し遂げたいかを明確にすることだ。

 

そして、メッセージを伝えたいなら

「物語型」が最も効果的な方法のひとつだろう。

 

モノクロームのフランス映画より

ハリウッドスタイルの方が人気がありはるかに売れているように。

 

クラウドファンディングそれ自体が

購入者との共作であるという物語に組み込まれているように。

 

 

 

IDEA ART BOOK

 

アーティスト向けセミナーで使用した「セレクト能力と編集の仕方」を

近々、まとめてダウンロードできるようにしようと準備中です。

 

 

 

 

 

 

 

 

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